NPO法人 日本・雲南聯誼協会

 

 

 

 

 

 

 

フォローアップ写真

フォローアップ事業

支援校児童劇巡回公演



日中の劇団と協会が手を携え、夢溢れるプロジェクトを始動

 雲南省山岳地帯、協会の支援した小学校で学ぶ子どもたちの多くは寮で生活しています。安全な校舎で、たくさんの友だちと一緒に勉強することは、子どもたち自身は何より、ご両親や村の人々みんなの願いでした。これまでも、協会はフォローアップとして支援小学校の追跡調査を行ってきましたが、調査や交流だけではなく、親元を離れ元気に頑張る子どもたちを励ますことができる新しいフォローアップ事業が、2012年誕生しました。

 「消防自動車じぷた」と「変変変」は日本生まれの児童劇。福岡のNPO法人「劇団道化」の創作劇で、日本はもとより世界各地で高い評価を受けている作品です。そして道化と長年の協力関係にある中国文化局直属の児童劇団「児童芸術劇院」は、これらの劇を中国語に直し、中国各地の子どもたちのために演じてきました。今回、この強力な日中児童劇タッグに聯誼協会が加わり、三者合同のプロジェクトとして、協会「50の小学校プロジェクト」支援小学校で「消防自動車じぷた」と「変変変」を公演することになったのです。

 街に住む子どもたちとは違い、雲南の山奥で暮らしている少数民族の子どもたちとって、生の演劇に触れる機会は皆無。もしかしたら、今回の公演が一生で一度の経験になるかもしれません。初めて目にする日中合作の素晴らしい児童劇に、子どもたちはいったいどんな反応を見せてくれるでしょうか。支援校フォローアップにして日中の素晴らしい文化交流でもある児童劇巡回公演事業は、2月から着々と準備が進められ、今年9月、いよいよ本番を迎えました。


いよいよスタート!協会支援小学校5校で夢の公演

 9月1日、協会、劇団道化、中国児童芸術劇院のメンバーの他、日本の大学生ボランティア7人が次々と昆明に集まりました。

 今回公演が決まったのは、協会支援小学校のうちの5校。昆明、楚雄、シャングリラ、麗江の各小学校を8日で回る計画です。プロジェクトチームはキャラバンを組み、連日バスで移動。大道具のトラックも、なんと北京からはるばる陸路で駆けつけました。支援小学校は僻地にあるため、毎日移動だけでも6〜7時間かかります。その大部分が険しい山道で、体力のあり余る大学生ボランティアたちも車酔いに苦しめられました。大道具トラックは昆明からシャングリラへ夜を徹して走り、海抜3300メートルのシャングリラでは、高地に慣れず俳優さんがダウン。たくさんのハプニングに見舞われながらも、日中の劇団が、協会スタッフが、そして学生ボランティアが、必死の思いで届けた渾身のプレゼントに、子どもたちの反応は果たして―!?汗と涙と感動の8日間を写真でご報告します。


児童劇公演 児童劇公演
初日は早朝6時出発。立命館アジア太平洋大学「笑」の皆さんはなんと4時半起きで集合場所に駆けつけました。
ご覧くださいこの暗さ!夜ではなく、朝です。劇院・周院長と初鹿野理事長もお出ましで、いよいよ出発!
児童劇公演 児童劇公演
老村小学校までは山道をひたすら走ります。前日の雨の影響で、大道具のトラックが大苦戦
山道を走ること4時間、ようやく辿り着いた一行を老村小学校の「歓迎」の横断幕が迎えます
児童劇公演 児童劇公演
早速セッティング開始!大学生ボランティアが大活躍
あっという間に舞台が完成しました
児童劇公演 児童劇公演
本番を前に、子どもたちと同じ給食で腹ごしらえ
俳優の楊成さんはすぐに子どもたちとうち解けました
児童劇公演 児童劇公演
子どもたちは本当に元気。遠い異国からやってきた大学生のお兄さんお姉さんを放ってはおきません
「鬼のお兄さんに一番後ろの子が捕まえられないよう、みんなで守る遊びだよ!」
児童劇公演 児童劇公演
「消防自動車じぷた」、もうすぐ始まるよ!
お兄さんお姉さんと一緒に椅子を並べて準備万端
児童劇公演 児童劇公演
我らが初鹿野理事長の華麗な司会ぶりで、公演スタートです
まずは「変変変」、おうちにあるなんでもない雑貨や野菜がみるみるうちに何かに変わる。子どもたちも大喜び!
児童劇公演 児童劇公演
舞台を支える裏方さん。進行に合わせて小道具を用意したりと結構大変
じぷたは消防隊で一番小さい消防自動車。いつも自分をバカにする仲間たちを見返す大活躍をします
児童劇公演 児童劇公演
日頃は失敗ばかりのじぷたの一世一代大活躍を、大人も子どもも一緒になって見守ります
こうして初日の公演は無事終了。周院長から子どもたちへ、スタッフやボランティアのご紹介
児童劇公演 児童劇公演
最後に、日本から持ってきた飴を子どもたちにプレゼント
後片付けも、お兄さんたちと一緒だよ
児童劇公演 児童劇公演
公演2日目は7時出発。公演を楽しみに待つ子どもたちのため、張り切って行って参ります!
清遠小学校で私たちを待っていたのは248人の子どもたち。ビラを配るのも一苦労
児童劇公演 児童劇公演
子どもたちの絶え間ない笑い声に、役者さんのテンションも右肩上がりです
248人が声を合わせてじぷたを応援!
児童劇公演 児童劇公演
公演の後には、子どもたちが踊りを披露してくれました
2日目ともなると、撤収の手際も鮮やかです
児童劇公演 児童劇公演
公演3日目、老木壩小学校の子どもたちは、校門の外で私たちを待っていてくれました
自分の椅子を運んで、舞台の座席を作ります
児童劇公演 児童劇公演
劇団の巡回公演は村にとっても初めてのこと。漏れ聞こえる楽しげな音楽に、村の人も集まってきました
劇院、道化、協会のみんながサインした色紙をプレゼント。老木壩の可愛いお友だち、素敵な笑顔をありがとう!
児童劇公演 児童劇公演
毎日睡眠時間を削って頑張ってくれた大学生ボランティアとは今日でお別れ。3日間、本当にお疲れさまでした
9月7日、4回目の公演はシャングリラ・尼史完全小学校。この大道具トラックは今日までのべ3000kmの道のりを走ってきました
児童劇公演 児童劇公演
協会支援第2校目「吉能小学校」を開校以来ずっと支えてくれていた先生に再会!今は吉能の子どもたちと一緒に、尼史小にいらしゃいます
舞台セットの時間を利用して、学校にプレゼントする色紙を用意。プロジェクトチーム一人一人が手書でサインをしていきます
児童劇公演 児童劇公演
ごっそり抜けた学生ボランティアの穴を埋めるべく、トラックのドライバーさんもビラ配り
児童数360人は今回最多。盛り上がりも今回最高で、後方は総立ち状態でした
児童劇公演 児童劇公演
後ろで見えない子たちは、横に広がってきました。チベット仏教のお坊さんもにこやかに見守ります
公演終了後、チームの思いが詰まった色紙を道化・篠崎理事長から副校長へ贈呈
児童劇公演 児童劇公演
シャングリラでの公演も無事終了。撤収作業にも、子どもたちの興味はつきません
最終公演の麗江市・后山小学校へは悪路のためジープ4台で向かいます
児童劇公演 児童劇公演
この素晴らしい山の景色!3時間の道のりもあっという間に感じました
后山小は校門が狭いため、外から大道具を運び込みます
児童劇公演 児童劇公演
大道具さんとトラックのドライバーさんと学校の先生、みんなで協力して最後のセット作りです
「日中児童劇団の交流公演を歓迎します!」
児童劇公演 児童劇公演
今回の公演もこれで最後。役者さんたちも魂込めた熱演です
見守る先生方もこの表情
児童劇公演 児童劇公演
子どもたちにとっても私たちにとっても一生の思い出となるに違いない2012年の巡回公演事業は、9月10日、無事幕を閉じました


こうして、5回の公演をすべて予定通りに行い、初めての児童劇巡回公演事業は無事終了しました。5つ全ての学校で、子どもたちがそれぞれとびきりの笑顔を見せてくれたことは私たちにとっても大きな喜びでした。そして、公演内容もさることながら、日中の大人たちが協力して何かを作り上げる姿は、きっと子どもたちにとって未来へのヒントとなったに違いありません。

最後に、今回の事業は、長年協会の支援活動を応援してくださっている地元政府及び教育局のご支持なしには実現しませんでした。5校全てにおいて、それぞれの地元政府、教育局が協会の活動と今事業の意義に深く賛同し、 学校側との調整を行うとともに、公演当日には早朝から車を出し、プロジェクトチームを学校まで先導してくださいました。この場を借りて御礼申し上げます。

日中国交正常化40周年 外務省2012日中国民友好年公式行事
2012 支 援 校 児 童 劇 巡 回 公 演 「笑 顔 を 君 に」
9月2日
昆明市内にてプロジェクトチーム顔合わせ・最終ミーティング
9月3日
支援第21校目「日中友好尋甸老村僑心小学校」で公演
観劇児童
120名

9月4日
「清遠小学校」(支援第5校目「日中天真周達僑心小学校」)で公演
観劇児童
248名

9月5日
支援第19校目「老木壩小学校」で公演
観劇児童
40名

9月6日
昆明市からデチェン・チベット族自治州シャングリラ県へ移動
9月7日
「尼史完全小学校」(支援第2校目「吉能小学校」)で公演
観劇児童
360名

9月8日
高所順応のための休息
9月9日
シャングリラ県から麗江市へ移動
9月10日
支援第20校目「日中友好后山良洋小学校」で公演
観劇児童
55名


プロジェクトチーム(順不同・敬称略)
劇団道化
篠崎省吾理事長、中村芳子副理事長、小村共悟、野村勇作
中国児童芸術劇院
周予援院長、孫立成主任、鹿娜、楊成(俳優)、徐麗(俳優)、李園園(俳優)、宋剛、李彬、呉啓軍、王燕勇
日本雲南聯誼協会
初鹿野惠蘭理事長、林娜、中洲慶子、山田美葉
学生ボランティア
庄司智哉、小田猛、キム・ユリ、ジュ・カヨン、近藤明花、金田美穂、初鹿野裕介
報道関係
久永健志(西日本新聞社中国総局長)、張清晏(中国民族影視芸術発展促進会高級記者)
現地協力者(順不同・敬称略)
丁美蘭、劉意玲、曹彦春、雲南省統戦部、雲南省人民政府僑務弁公室、昆明市帰国華僑聨合会【老村小学校】畢嬌嬌(昆明僑聨副主席)、尋甸県統戦部、尋甸県教育局、尋甸県甸沙郷中心小学校、楊文有校長をはじめとする先生方【清遠小学校】盤龍区統戦部、盤龍区教育局、周興和校長をはじめとする先生方【老木壩小学校】武定県教育局・常加栄副局長、武定県插甸郷中心小学校、畢光才校長をはじめとする先生方【尼史完全小学校】シャングリラ県对外僑務弁公室、李暁華副校長をはじめとする先生方【后山小学校】麗江市統戦部・子発貴主任、麗江市七河鎮人民政府、麗江市古城区教育局、楊継忠校長をはじめとする先生方


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