思茅地区墨江県――大溝村小学校 |
2007年6月21日、雲南省思茅地区にある支援第12校目小学校の建設現場視察の旅を終えた一行は、次年度支援候補校の視察のため、同地区墨江県の山奥 「文武郷大溝小学校」を訪問しました。
<< 大溝小学校の状況 >>
|
||
校名 | 文武郷大溝小学校 | ▲クリックすると雲南省全域の地図がご覧いただけます。 |
民族 | イ族 | |
所在地 | 思茅地区墨江県文武郷 | |
児童数 | 113人 | |
寄宿生 | 68人 | |
学級数 | 1〜4年生 (5、6年生は別の小学校に通う) |
大溝小学校のある文武郷までは、墨江県都から四時間の道のり。道路状況は非常に悪く、全く舗装されていない石だらけの土道を、大きく車体を揺られながらの行程となりました。
小学校のある文武郷に着くと、車を大型のものから小型のものに乗り換え、さらに車幅分しかない崖っぷちの道を、慎重に進みます。車窓のはるか眼下に、美し い棚田を見ながら、約30分後、ようやく大溝小学校に到着。道端には、ブーケンビリアの花束を手にした子供たちと学校の先生がずらりと並び、拍手で出迎え てくれました。
大溝小学校の校舎は、倉庫のように小さな平屋建ての二棟で、四つある教室では1〜4年生の児童113名が学んでいました。(5、6年生は、別の小学校に通うことになります)
教室は裸電球のみで、晴天にもかかわらず、薄暗い印象を受けました。雨天時には、視力に悪影響のある環境だろうと容易に想像できます。さらに心配されたの が、屋根の数箇所に空いた大きな穴です。雨天時には、屋根から水が侵入し、土を固めた地面は一面水浸しになります。それ以上に恐ろしいのは、屋根に雨の重 みがかかったことによる屋根瓦の落下や、校舎そのものの倒壊です。子供たちは危険と隣り合わせの状況で、それでもこの校舎で学ばなければなりません。
特に問題があると感じたのは、校舎から離れた場所にある宿舎でした。
宿舎は、農民の家を政府が買い取り、再利用したものだそうですが、寄宿生68名を収容するにはあまりに狭く、息苦しさを感じました。
屋根は一部が剥がれ、壁のブロックが外れている箇所もあります。窓にはガラスがなく、布やダンボールで補強しています。これでは雨をしのげません。板を並べただけの二段ベッドは、一部が天井の梁に接近し、身を起こすこともできない狭さでした。
そんな中、感心したのは、児童へ衛生概念の教育が行き届いている点です。
毛布はきちんと畳まれ、タオルも紐で吊るされ、整理整頓が行き渡っていました。たった5、6歳の子供たちですが、基本的な生活マナーを教えられ、自立した生活を送っているようです。
最後に、子供たちへ日本の会員、支援者の皆さまからお預かりした文房具やボールなどの遊具を、寄宿生へタオル、歯磨きセットなどを寄贈しました。「がんばって勉強してくださいね」との言葉に、恥ずかしそうに、それでもしっかりと「はい!」と答えてくれました。
ご寄贈いただいた近藤様、元中様、刈谷様、原沢様、沢田様、JR総連様、ありがとうございました。
またこの度の視察では、お忙しい中、北原茂実理事、小澤文穂顧問にもご同行いただき、大溝小学校の現状について、協会のこれからの支援や今後の活動について、真摯に、様々な意義あるご意見をいただきました。
協会としては、今後、ご意見を取り入れながら、何らかの形でこの学校を再訪問したいと考えています。
【視察参加者】
初鹿野恵蘭理事長、北原茂実理事、小澤文穂顧問、峰尾勝美さん、洋子さん、東京本部狩野
【現地パートナー】
雲南省帰国華僑聨合会、雲南省司法庁