NPO法人 日本・雲南聯誼協会

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交流活動

中国雲南省

2010年7月19日(海の日)、「小さな壁新聞※」が、現代の遣唐使船として中国に向かう大阪市の帆船「あこがれ」に乗って、上海経由で、雲南省に届けられることになりました!
(※小さな壁新聞プロジェクトについては、記事最下部の枠内をご参照ください

大阪市の帆船「あこがれ」は、国内で唯一の市民向けセイルトレーニング船です。小学4年生から乗船可能な当船は、海という過酷な環境の中、帆船を操る術を学びながら仲間とともに心身を鍛えてゆく、青少年育成のための帆船です。
同船では、協会と同様、多くのボランティアが縁の下の力持ちとして活躍しています。このたび、両団体のボランティア間の交流から、協会・帆船あこがれボランティア(ウィンズクラブ)合同企画「現代の遣唐使企画」が計画されました。

 
国内唯一の市民向けトレーニング船


7月18日(日)、平城京遷都1300年祭の会場である奈良県平城京宮跡の遣唐使復元船前で、山梨県小菅小学校の子供たちが作成した「小さな壁新聞」 が、協会ボランティアから、ウィンズクラブの手に託されました。ウィンズクラブの有志が、現代の遣唐使として、奈良から大阪を結ぶ古道「暗峠」をマラソン で走破しようというのです。

 
平城京遷都1300年祭の会場である
奈良県平城京宮跡
  遣唐使の衣装を着たマラソン隊「遣唐使」の
皆様に、壁新聞の入った筒を預託
 
和船研究の第一人者・松木哲先生を交えて
マラソン隊による綿密な打ち合わせ
  この日は猛暑並みの気温
熱中症を避けるため、日暮れを待ちます
 
19:00に、松木先生、平城京遷都1300年祭関係者の方の声援を受け、いざ出発!   19:35、5キロ地点「砂茶屋」を通過する頃にはすっかり日も沈み、辺りは真っ暗に


暗峠を含む古道「国道308号線」は、一部では「酷道」とも呼ばれる知る人ぞ知る難所。「暗峠」という不気味な名前は、昼間でも樹木が生い茂って暗いこ とからつけられたとも、あまりに道が険しいために馬の鞍がひっくり返ったことによる「鞍返り峠」から来ているとも言われています。いずれにしても、峠越え の厳しさをよく表した名前です。

かつて「暗峠」は、奈良と大阪を結ぶ最短の街道として栄えていたといいます。かの遣唐使もこの道を通ったされ、峠に残された石畳には悠久の歴史が刻まれています。
「小さな壁新聞」を背負ったマラソン隊3名は、一晩かけて暗峠越え。深夜、時折出会う人々から声援を受けながら、大阪南港オズ岸壁に停泊している遣唐使船「あこがれ」を目指しました。全行程50キロにも及ぶ、険しく長い道のりです。

 
20:40、10km地点。第一関門「矢田丘陵」を無事に超え、遠景の夜景に「暗峠」が。   車幅ぎりぎりの急坂は地元民の「裏道」。車量が多く、安全のためのライトが重要
 
21:30、休憩場所として快く場所を提供してくださった、手打ちうどん「風舞」さん   ひとときの休憩。「風舞」には協会のパンフレットも置いていただきました。謝謝!
 
22:44、石畳の残る「暗峠」に到達!標識「大阪府」の裏側は「奈良県」、県府の境です   23:15、最大傾斜37度地点を越え、眼下には大阪の夜景が。「宝石を散りばめたみたい」
 
23:15、ついに暗峠を制覇!道は平坦になり、足も限界ぎりぎりの一行は速度アップ
  休憩したコンビニで地元の若者と
「暗峠をマラソンで越えた!? すげぇ!」


ぼろぼろの足を懸命に前へと進めたマラソン隊は、暗峠を越え、八尾街道、住吉大社を走破。梅雨明け直後の猛暑の中、ついに帆船「あこがれ」のゴールテープを切りました。

 
6:20、住吉大社に到着。気温の上昇とともにマラソン隊の眠気も上昇……   駐車場の一角をお借りして仮眠
蝉の声と蚊の音がうるさくて眠れません
 
峠越えをしてきた足には最大難所でした!
住吉大社内の「太鼓橋」
  背負った「小さな壁新聞」とともに海の神様に航海の安全を祈願
 
住吉大社の方にも
明日出港式があることを伝えました
  9:30、住吉大社を後にして最後の行程に臨みます! あと少し、あと少し!
12:00、大阪南港オズ岸壁にゴール!「怪我なんかして、素晴らしい企画を台無しにしたくない」というマラソン隊の皆さんの熱い思いが実を結びました
 
山梨県小菅小学校の子供たち、協会ボランティアに、マラソン隊の熱意が加わった
「小さな壁新聞」は、無事に帆船ボランティア乗組員の手へ


「奈良から、かつて遣唐使がたどったとされる暗がり峠を越え、どうにかここまでたどりつきました。子供たちの夢が詰まった壁新聞、どうぞ中国までよろしくお願いします」
足の痛みと戦いなが47キロ余りを駆け抜けたマラソン隊の熱い思いを、壁新聞とともに受け止めた乗組員は、無事に中国へ届けることを約束してくれました。

多くの人々が見送る中、岸壁では盛大な出港式が行われ、「小さな壁新聞」を乗せた現代の遣唐使船「あこがれ」は、陸地を後にしました。これより帆船は、東シナ海の波濤を越えて中国上海を目指します。

 
盛大に行われた出港式
その様子はNHKでも放映されました
  「気をつけていってらっしゃい」を意味するUW旗があちこちで振られています
 
返礼の信号旗を掲げて、現代の遣唐使船「あこがれ」が出港! 涙ぐむ方も。
  上海まで、小さな壁新聞をお願いします!
航海の安全を祈って……


かつて遣唐使がたどったと思われる道を走り、そして海を渡る壮大なロマンと感動を一緒に届けられる小さな壁新聞。普通の郵便に比べれば、大変時間はかかりますが、その時間の中でどれだけの出会いに恵まれることでしょう。
協会では雲南省の子供たちに届けられるまでを追跡調査してゆきます。その模様は、当サイトでもまたお知らせしますので、どうぞお楽しみに!

※当企画は、両組織のボランティアによる自主企画です。企画実行にあたって多大なるご協力をいただいた、セイル大阪および帆船「あこがれ」皆様、平城京遷 都1300年祭関係者の皆様、遣唐使企画にあたってご指導を賜りました和船・遣唐使船第一人者の松木哲先生に、深く御礼申し上げます。

【小さな壁新聞プロジェクト概要】
ボランティアの発案によって 2009年9月に企画された「小さな壁新聞プロジェクト」では、これまでに支援した小学校の子供たちと、日本の小学生に「小さな新聞記者」になってもら い、日常の様々なこと、自分自身の民族のことなどを記事にし、絵や写真を使って壁新聞を作成してもらっています。
支援校同士、また日雲で交換交流を行い、子供たちに視野を広めてもらうことを目的に、ボランティア主導で行っている企画です。(関連記事:小さな壁新聞プロジェクト 第3回ボランティア会議

2010年5月には「日本版壁新聞創刊号(山梨県小菅小学校)」、6月には「雲南版壁新聞創刊号(支援第21校老村小学校)」が完成しました。完成した壁新聞は、会員の皆さまにご郵送にてお届けするほか、展示会などで一般公開を予定しております。

【現代の遣唐使ボランティア皆様】(敬称略・順不同)
◎マラソン隊……高見昌弘・橋本敏夫・林伸行(ウィンズクラブ)
◎サポート隊……木村雄一郎・泉喜信(ウィンズクラブ)、狩野千尋
◎撮影/協会PR……近藤釼一(名古屋支部長)、久保沙登美


【関連サイト】
帆船「あこがれ」公式サイト
帆船「あこがれ」公式内の記事

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